「祝・収穫!村山地粉うどんフェスタ 〜2013年8月8日-8月31日

「小麦増産プロジェクト」による2013年度第2弾の企画は、今年度産地粉を使った会員うどん店による手打ちうどんの競演、「村山地粉うどんフェスタ」。
「石川園」で収穫されたばかりの村山地粉を使ったうどんを参加6店がリレー形式で提供し、参加者の方は1日1うどんで食べ歩くもよし、1日はしごで食べ比べるもよしの、小麦生産者・飲食事業者・消費者が一体となったイベントです。

事前の全体打ち合わせから始まり、各店による商品開発(粉の配合研究)を経て実現した今回の企画は、関わるそれぞれの人たちにとって村山地粉を知り、楽しむ機会となるとともに今年度プロジェクト活動の集大成となりました。



フェスタ開催初日、トップバッターを務めたのは「肉汁うどん 青柳」さんと「家庭料理 円」さんの2店。期間中は、村山地粉うどん提供中の店舗に掲示されるこのPOPが目印。各店を回りつつ、毎回わくわくしながらのれんをくぐります。

まずは青柳さん。わたしにとってもフェア初となる村山地粉うどんは、いつもより食べごたえある食感のうどんでした。小麦の風味が口に広がります。
円さんは夜営業のみの提供。お酒の席の〆につるっとおいしくいただきました(^-^)



「武蔵村山満月うどん」さんでは4日間の提供のうち、前半と後半で配合の異なる村山地粉うどんが楽しめました。
前半戦のうどんは超がっしりのぽきぽき系うどん。噛みごたえ満点でかみしめるたびにおいしい。かための太麺が身上の満月うどんさんならではの挑戦です。

そして同じ村山地粉が後半戦は打って変わってしなやかうどんに変身。ちょっと色白になり、小麦の風味がアップしたような感じも。こんなに違っても村山地粉の配合量は前半戦と同じと聞いて、小麦の特性を知り、感じながらうどんの表情を自在にあやつる大将の腕前に感銘。さすがです。



こちらは「手づくり郷土料理の店 翔」さん。いつもやさしいうどんがいただける翔さん、村山地粉うどんはいつもとはすこし食感が変わりつつ、やっぱりどこかほっとする味わい。だしの香りが豊かなすっきり系の肉汁もおいしい。

青い器がトレードマークの「一休」さんでは、ちょうど石川園の農園主さんに出会いました。カウンターにならんで一緒に村山地粉うどん。ビュッフェスタイルの天ぷらを添えておいしくいただきました。
ちょうどお昼どきで次々と訪れるお客さまたちは、近くにお勤めの方、お住まいの方などいろいろ。武蔵村山在住・在勤のみなさんきっと、村山地粉うどんをお楽しみくださったことと思います。



ここでちょっと番外編。
同じ村山地粉を使ったそうめんがあるのをご存じですか?石川園さんで製造・販売しているこのそうめん、ゆでる前の乾麺のときから色が濃く、ゆであがった姿もまるで蕎麦のような色合い。そして口に広がる小麦の風味。こういう楽しみ方もあるんだー!見かけたらぜひご賞味くださいね。



そして「本格手打ちうどん 笑乃讃」さん。中が見える製麺室では大将が村山地粉うどんを真剣に打つ姿が。笑乃讃では全参加店共通のポスターやPOPに加えて、使用している小麦粉の配合も掲示。この日のうどん、村山地粉は20%配合。参加店の中でいちばんの配合量です。わたしは二度いただいたのですが、最終日の農林61号&農林16号(村山地粉)うどんは驚くほどいつもと表情の違う、もっちりコシの強いうどんでした。おいしかった(^-^)♪

笑乃讃は日によって麺の太さや打ち方、最終日には配合も変えつつ、期間中さまざまなチャレンジをしてくださいました。村山地粉を楽しんでくださるご様子から、ともにイベントを創る楽しさ、うれしさもいただきました。感謝感謝です。

各店店主のみなさんが腕をふるってくださった今回のフェスタ、インターネット上では来店されたお客さまたちからの発信も多くみかけ、大盛況のうちに幕を下ろすことができました。
初めての試みに手探りな部分もありましたが、関わった方々全員の思いを感じ、今後の小麦増産プロジェクトの展開に向けた大きな一歩となりました。ご参加・ご協力くださったみなさまに厚く御礼申し上げます。本当にどうもありがとうございました!

初打ち 〜2013年7月27日



収穫以後好天に恵まれたおかげで順調に天日干しが完了。
製粉し、食品衛生の検査を経て、いよいようどん用の地粉ができあがりました!

ということで、武蔵村山地粉の生産を行う「石川園」農園主、村山うどんの会手打ちうどん教室の石川師範が主宰されている「そばの会 うどんの会」にお邪魔し、みなさまより一足お先に2013年産地粉でうどんを打って参りました。

挽きたての粉はしっとりしていてさわり心地がよく、水を回した瞬間に立ち上る麦の香りがそれはもう、たまりません!
昨年の同じ時期に初打ちした時よりもさらに感触がよいような気がします。

いつもとだいぶん勝手が違う水加減、ゆで加減にちょっと戸惑いつつも、峯岸師範やこの日集っていた村山かてうどんの巨匠たちの助言をいただいてなんとかうどんができあがりました。ふぅ(^-^;
麺線が太いのはわたしの好みです(笑)
この日は新しい地粉の風味をがしがしかみしめたくて(^_-)b

今年の地粉、とってもよい出来です☆☆☆
これをプロのうどん店主たちが打ったらと思うとわくわくが止まりません♪
8月8日から始まる「祝・収穫!村山地粉フェスタ」をどうぞお楽しみに!

麦干し 〜2013年6月下旬



6月半ばに刈り取った小麦を脱穀(麦の穂から粒を外すこと)し、梅雨の晴れ間をぬって天日干しします。
ござを敷いた上にむしろを置き、きれいな畝を作りつつ麦を広げます。そして数時間ごとに天地を返し、まんべんなく陽にあてます。

この日は写真に写っている分の約3〜4倍の麦が敷地いっぱいに干されていました。
これで30kgの米袋8袋分。



天地返しは、まずむしろを手前から持ち上げて麦を真ん中に寄せ、今度は向こう側にまわって同じようにむしろを持ち上げつつ、中心に小さな山を作る。それを道具を使って広げます。



やってみるとこれがなかなか難しい。バランスよく広がらないし、こぼしたらそれは小鳥のごはんになるだけ。人間の口には入りません。
朝広げて、天地返しを何度もして、そしてまた袋に戻して納屋にしまう。一日では干し上がらないから、何日間かかけて出したりしまったり。

そうそう。
「麦干し中の小麦って、小鳥や虫に食べられちゃったりしないんですか?」とお聞きしたら、「食べられちゃいますよ(笑)」って(^-^;

空からやってくる小鳥は追い払うのだそうだけど、おいしそうな小麦目指して地面を這ってくる虫やミミズはカラダも小さいし、灼熱の炎天下で小麦は高温になっているから、やっと手が届くもそこで力尽きて行き倒れになっちゃうのだとか。
でも、その虫たちは蟻んこがよいしょよいしょと運んで行ってくれるんですって!
「蟻はね、お手伝いさん。」っておっしゃってました。なんか和む〜(^-^)



そして納屋にはまだまだたくさんの袋が。これを日替わりで全部干すわけです。
梅雨時に刈り取る小麦をそこから何日も干すのは常に空を見上げながらのお仕事。「この期間中はいつ雨が降るかわからないから畑にも出られないんだよねぇ。」

こんなにも手のかかる小麦のお世話ですが、大量生産では当たり前の機械乾燥をすればたしかにラクではあるのだけれど、小麦の風味の残り方が天日干しとは比べものにならないのだそう。
おいしいうどんをみなさまにお届けするための密かな努力なのです。

出荷基準の水分量は12.5%。でも天日干しはどうしてもムラが出るし、保管のことを考えるともっと数値を低く抑えておきたいということで、大体10%ちょっとくらいに調節するのだそうです。
この日何度目かの天日干しを終えた小麦たちは目指す数値になってめでたく合格!



「麦秋を喰らう会」に参加したみなさーん!
これがあの時刈り取った小麦です。天日干しが終わって保管されていました。
が。写真では分かりづらいのだけれど、他の小麦とは色合いがちょっと違う。右の方が麦秋を喰らう会の小麦。なんとなく色あせた感じというか。

麦秋を喰らう会は小麦の収穫を終えた翌週に開催予定だったので、それ用に少しだけ刈り残していた分で麦刈り体験をさせていただきました。たった1週間だけれど、収穫に適した期間を過ぎてしまうともう、あの小麦色は出ないのですって。もちろん味も落ちるし。

農作物の成長スピードはとても速くて、いちばんおいしく刈り取れるときはとても短い。それが長雨にあたったりすればその年の小麦の出来に大きく影響する。
あらためて農業と天候のシビアな関係を思い知りました。

たくさんたくさんの麦は、干し上がると“唐箕(とうみ)”という機械にかけ、屑や塵を吹き飛ばしてきれいにお掃除。



お掃除して出た小麦の屑は、畜産農家さんのところへ運ばれて行って家畜たちのごはんになるんですって。収穫した小麦は余すところなくいろんなところで活躍するんですね。

お掃除が終わった小麦は専用の保管庫へ。
この保管庫、一見ロッカールームのロッカーのようなのだけれど、虫が入り込まないようになっていたり、内側に湿度調節の部材が貼ってあったりとなかなか凝った造りなのです。
今年度は前年比3倍の小麦を作付し、予定とおりの出来高で収穫したので保管庫も増設予定だそうです。

武蔵村山の地粉増産に向けて、わたしたちがふだん目にすることのないところでこうしてひとつひとつ着実に作業は進んでいるのでした。
これからも折をみて小麦レポートをしますのでみなさまお付き合いのほどどうぞよろしくお願いいたします(^-^)

2013年6月23日「麦秋を喰らう会」in武蔵村山市榎「石川園」

〜 麦刈り編 〜


梅雨の晴れ間の日曜日、2013年産小麦を収穫し、武蔵村山産野菜を食しつつ豊作を祝う「麦秋を喰らう会」が開催されました。
「麦秋」とは、麦の穂が実り収穫期を迎えた初夏の頃の季節のこと。
麦が熟し、麦にとっての収穫の「秋」であることから名づけられた季節で「むぎあき」又は「麦の秋」とも読み、夏の季語の一つとなっています。

手打ちうどん教室受講生の方や、出展イベントでよくご一緒させていただいている市内地域団体の名誉会長さんたちもお迎えし、総勢20名ほどでスタート。
手打ちうどん教室師範でもある「石川園」の石川農園主から刈り方の説明を受けたら、鎌を手に、いざ麦刈り!

これがまさに「見るに易し、行うは難し」。
「それじゃぁ“麦抜き”だよ〜(笑)」。初体験の人のほとんどが根っこごとごそっと持ち上がってしまい、うまいこと刈れません。鎌使いって技なんですねぇ。



大人も子どももみんなで元気に刈り進める麦畑。
麦抜き続出の中にあってとてもきれいにさくっと刈っていた女性講師。「子どものころよく手伝ったから〜」って。さすがです!

刈られた小麦はすぐに農園主宅へ運ばれ、待つことしばし。脱穀されて帰ってきました!
みんなでがんばって刈ったたくさんの小麦も、粒になればほんのすこし。武蔵村山産地粉のうどんをすこしでも多くのみなさまにお召し上がりいただくためにと、今回刈った何十倍もの量の小麦を育て、収穫された農家さんには本当に頭が下がります。
これから天日干しでしっかりと乾燥させて、粉になるのは秋のこと。農家さんのお仕事はまだまだ続きます。おいしいうどんになりますように。引き続きどうぞよろしくお願いいたします(^-^)

〜 流しうどん編 〜


時は戻って、早朝のスタッフ集合時刻。
前日に会長がひとり山へ分け入り、2時間かかって探した末に切り出されてきた竹が搬入。見事まっすぐに伸びた立派な太い青竹をコシのすわったがっしりうどんを流すべく加工開始。すべて1回勝負。失敗は許されません!

でっきるかな、でっきるっかな〜、はてはてふむ〜♪
みんなの期待を一身に受け、緊張感がみなぎるなか講師隊長が竹割りに挑みます!がんばれ〜!!

狙いを定めてナタと木槌でがんっと深い切り込みを入れたら、途中から金属の棒をはさみこみ、両端に手をかけて力いっぱい末端まで引きながら割っていきます。曲がってしまっても途中からは割りなおせないから、平行を保ちつつバランスよく力をかけていくことが大事。

危なくないように切り口の始末をし、水が流れるように金槌でたたいて中の節を取り除いたら流しうどん用の竹のできあがり!
最大の難関を突破した“チーム流しうどん”、みんな男のコの顔になってました(^-^)



できあがった竹で会場に流しうどんタワーを設営。
テキトーに組んでいるようで、実はオトナも子どももそれぞれ箸を伸ばしやすい高さ、うどんが適度なスピードに流れる勾配など緻密な加減が必要なんです。

水を流して適度な水量を決めたら、試しにうどん的なものを流す・・・
「おぉー!流れたー!!」「すげ〜!」「やった〜!」
ホントすてき(*^-^*)
よく見たらチーム流しうどんの面々、本業が建築関係なんですね(笑)さすが村山うどんの会、層が厚い。みんなそろったらなんでもできそう。



そして本番。
竹を囲むみなさんの前を華麗に流れていく村山うどん。
湧き上がる歓声にいっぱいの笑顔。
準備から一連の流れを思い返し感無量。言葉にならない感動の光景でした。

今回いただいたうどんは、武蔵村山の「本格手打ちうどん 笑乃讃」にご準備いただきました。おいしいうどんをどうもありがとうございました!

〜 収穫祭編 〜


「かんぱ〜い!」
同じ農園主さんの畑で採れた野菜を使った料理を囲んで収穫祭のはじまりはじまり〜♪

快晴を超えてもはや猛暑といった方がよさそうな陽射しの中、快適なテント内でくつろぐセレブな面々を横目に(笑)、特設野外キッチンで調理に励むチームCOOK。
方々に出向いてはうどんブースを出店し、手打ちうどん教室を開催している村山うどんの会。そうして鍛えられた対応力と日ごろから培われてきたチーム力がこんなときにもピカリと光ります☆



とうもろこし畑の中のおじさんたち。さわやか〜・・・でしょ?
焼きいも用の分厚い鉄鍋で蒸し焼きにした採れたてのとうもろこしをがぶり。「こりゃうまい!」
まだ小さな実「ヤングコーン」は天ぷらに。これが絶品!この日の一番人気メニューでした。あとはうどんをいただく用のカレーつけ汁にもin。



なぜか畑の中で揚げものをしています。
「どうしても天ぷらが食いたいの!」という某隊長の熱望により実現。採れたての野菜を使って、ポテトフライ、ヤングコーンの天ぷら、オニオンリング、かき揚げと、炎天下でひたすら天ぷら。
新たなCOOKスターなるさんが大活躍。

で、これがどれもおいしいのなんのって!
採れたて野菜をその場で揚げていただくって、考えてみたらめったにできない贅沢ですね。だだっコのように提案してくれた隊長に感謝(笑)

最後はメモリアルタワーとなった流しうどんセットを前にぱちり。写真ぜんぶ笑顔で満タン。
楽しい思い出がいっぱい詰まった畑に後ろ髪を引かれつつ、心からの「またやりましょう!」を合言葉に散会。天気に恵まれ、自然に恵まれ、そして仲間に恵まれたすてきな一日を無事終えたのでした。

ご参加くださったみなさま、準備からたくさんの尽力をくださったスタッフの方々、本当にどうもありがとうございました。今度は次期小麦増産プロジェクトの種蒔きイベントでぜひお会いしましょう!

「麦秋を喰らう会」開催告知・一般参加者募集

今年度の小麦増産プロジェクトでは、収穫体験から収穫祭までの工程で一般参加者を募集。
村山うどんの会会員や手打ちうどん教室受講生のみなさまへのご案内ほか、ホームページや公式Twitterなどで広く広報いたしました。
また、地域の方々が口コミでのご支援をくださるなど、温かな気持ちにふれるうれしい機会でもありました。

種蒔きから除草まで

2013年産小麦の栽培風景をダイジェストでお届けします。

次期2014年産の小麦栽培では、種蒔きから収穫、製粉した小麦粉でのうどん打ちまでを通して体験する農業と食のイベントを随時企画予定。みなさまのご参加を心よりお待ちしています。自分で手をかけてできあがった武蔵村山産地粉で、ぜひいっしょにおいしい村山かてうどんを楽しみましょう!

「耕耘」2012年10月20日〜11月2日
畑を耕し、種を蒔く準備をします。11月にもなると武蔵村山の畑には霜もおります。


「麦蒔き(種蒔き)」2012年11月2日〜11月8日
きれいに耕された畑に麦の種を蒔きます。
今年度は村山学園の生徒さんたちが農業体験にお越しくださいました。


「発芽」2012年11月

ちいさな、ちいさな芽が出ました。
ちいさいけれど力強くて元気な息吹。

「麦踏み」
<1回目>2012年12月25日〜28日 <2回目>2013年1月8日〜13日

すこし育った麦の苗を踏みます。
踏まれ、また起き上がることで強い麦になります。
彼らはいずれ粉になってまた踏まれ、力強くおいしいうどんになるのです。がんばれ、麦たち!

「中耕(除草)」2013年2月10日〜3月21日

鮮やかに青々と伸びた麦たち。麦畑らしい様子になってきました。
こちらの畑では無農薬で小麦を栽培しています。手をかけて除草して成長を促します。
小麦色の麦を収穫する日が楽しみです。



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