武蔵村山名物「村山うどん」では、地粉(地元国産の小麦粉)を使用して打った麺を茹でた後、氷水で締めた冷たい麺を暖かい醤油ベースのだし汁につけ、“かて”と一緒にいただきます。別名「村山かてうどん」とも呼びます。
村山うどんに必ず付く「かて」(糧)とは茹でた季節の地場野菜などをうどんに添えたもので、東京一の生産を誇る武蔵村山名産の小松菜や地で獲れたナスやインゲン、ほうれん草などが一般的です。近年人気の豚肉を使った「肉汁」との相性も考えつつ、季節感のある揚げものなどを添えることもある村山かてうどんは、栄養バランスのよい食事といえます。
ちなみに“かて”は刻みネギや刻みミョウガ、生姜などの薬味とは異なります。
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・かしわ天
・小松菜
・ねぎ、揚げ玉(薬味)
・きのこつけ汁(温)
今回はうどん店でもおなじみのかしわ天をお出ししました。
かしわ天とは鶏肉の天ぷらのこと。下味をつけた鶏むね肉を食べやすい大きさに切り、衣をつけて揚げます。
鶏むね肉は繊維が強いので、繊維を断つ向きで切って行くのがポイントです。
かてで肉の天ぷらをお出しするので、つけつゆはきのこ汁に。
今年は残暑が短く、すっかり涼しくなって温かいつゆがおいしい季節になりました。
今回もたくさんの方々にうどんとかてをお召し上がりいただきうれしいかてチーム。また来期もアイデアを出し合って、楽しくおいしいうどん教室になるようがんばりたいと思います。
今期全7回、お付き合いくださいましてどうもありがとうございました!
・秋刀魚の梅肉揚げ
・蒸し茄子
・もみきゅうり
・きのこつけ汁(温)
今回は秋の味覚を楽しむかてを用意いたしました。
脂がのった旬の秋刀魚は梅肉揚げに。
三枚におろしたあと中骨をそぎ取った秋刀魚を4等分にしたら、海苔とペースト状にたたいた梅肉を乗せて厚みがある方からくるくると巻き、巻き終わりを爪楊枝で留めます。
粉をまぶしてから天ぷら衣をつけ、170〜180度くらいの揚げ油でカラリと揚げます。刺身用の新鮮な秋刀魚を使い、外はサクサク、中はふっくらに仕上げるのがポイント。
“嫁に食わすな”の秋茄子は15分ほど蒸してから冷水にとり、粗熱が取れたところで縦4〜6等分に割きます。包丁で切らずに手で割くとつけつゆがよく絡んでおいしくいただけます。割くときは竹串を使うと作業がスムーズです。
きゅうりは塩でよくもんで軽く水分を絞ったあと、隠し味にだしの素少々を加えてもうひともみ。だしの素は化学調味料無添加の自然素材のものを使っています(^-^)b
メインのかてが魚の揚げものなのでつけ汁はあっさりめに、旬のきのこをたっぷり使って。
きのこのうま味がよく出ておいしいつゆに仕上がりました。
・茄子
・小松菜
・つけつゆ(冷)
・坦々つけ汁(温)
・ねぎ、みょうが(薬味)
定番の小松菜に加え、旬の茄子をやわらかく茹でたものをお出ししました。
茄子はヘタを落とし、皮に軽くシワが寄って箸で押さえた跡が残るくらいまで茹でたら冷水に取ります。
粗熱が取れたら茄子の上部(ヘタ側)を持ち、竹串を刺して下にすーっとおろし4〜6等分に割きます。やわらかく茹でた茄子は包丁で切ると潰れて形が崩れてしまうのと、割いた方がつゆやタレがよく絡んでよりおいしくいただけます。冷やしてお召し上がりください。
今回のつけつゆは2種。スタンダードなしょうゆベースの冷たいつゆと、そして坦々つけ汁。
坦々つけ汁はご家庭でも手軽にお作りいただけるよう、練りごまの代わりにすりごまと牛乳を合わせたレシピで。今回は温かくしてお召し上がりいただきましたが、暑い季節にもぴったりのピリ辛味が好評でした。具だくさんで栄養も摂れるのでおすすめです。
≪坦々つけ汁(2人分)≫
豚ひき肉…50g
生しいたけ…1個
にんにく…1片
しょうが…1かけ(10g)
長ねぎ…1/4本
牛乳…200ml ※好みで豆乳を使ってもおいしいです。
ごま油…大さじ1
豆板醤…小さじ1/2 ※辛めがお好きな方は小さじ1で。
鶏がらスープの素…小さじ1
しょうゆ…大さじ1
白すりごま…大さじ2
*作り方
1.しいたけ、にんにく、しょうが、長ねぎは細かくみじん切りにする。
2.深めのフライパンか中華鍋にごま油、にんにく、しょうが、豆板醤を入れて弱めの中火にかけ、よく炒め合わせる。
3.しょうがとにんにくの香りがしっかり立ったら中火にしてひき肉を入れ、ひき肉の色が白っぽくなったらしいたけも入れて焦がさないように気をつけつつしっかりと火を通す。
4.牛乳を加えて煮立たせないように温める。沸騰直前まで温まったら鶏がらスープの素、しょうゆ、白すりごまを加えて火を弱め、5分ほど煮込んでできあがり。
※ポイント:牛乳を入れたら煮立たせないようにしましょう。
・天ぷら
ちくわ天、野菜天(しいたけ、ししとう)
・枝豆(湯あがり娘)
・小松菜
・肉汁(つけつゆ)
・ねぎ、みょうが(薬味)
定番の肉汁と青菜のほか、村山かてうどんのお店でも人気の天ぷらを3種ご用意いたしました。
ちくわ天は大きめのものを使うとさっくり衣にふっくら食感でおいしく仕上がります。今回は大きめのちくわを食べやすいように、太さと長さをそれぞれ半分にして使いました。
味の濃いつけつゆとともにいただく場合は、あまり塩味の強くないちくわを選ぶのもポイントです。
「天ぷら衣の粉は冷水で溶く」はみなさんご存知だと思いますが、タネ(具材)や粉も使う直前までしっかりと冷やすと成功率がアップします。
室温に置くと暑い時期は特に粉の温度が高くなり、せっかく冷水で溶いてもすぐにぬるくなってしまいます。粉は金物のボウルに入れてよく冷やし、使う直前に水を差してざっくりと合わせます。
そして今回なんといっても大好評だったのは、会の石川講師が丹精込めて育てた枝豆。
「湯あがり娘」という品種のこの枝豆は村山うどんの会の面々にもファンが多く、ひと粒食べると手が止まらなくなるおいしさ。本当に絶品です。
せっかくのおいしい枝豆はいつもよりちょっと丁寧にゆでてあげたいもの。
ヘタの部分をはさみでひとつひとつ切り(ちょっと面倒ですが、仕上がりが違います)、塩もみします。よく沸騰させ、塩を加えた湯へ。再沸騰までの時間が短くなるよう、湯量をたっぷり用意することも大切。
ゆで時間は再沸騰から5分。ゆで過ぎ厳禁、ちょっと硬めがおいしさのポイントです。塩をざっとまぶして盛りつけます。
試食中も「この枝豆、おいしい!」の声、声。教室後のアンケートでも「枝豆がおいしかったです!」のメッセージをいただきました。
ご興味のある方は武蔵村山市役所前のJA直売所「みどりっ子」でぜひどうぞ。
薬味には旬のみょうがをプラス。
小麦の味わいを楽しむ武蔵野うどんでは、刻みねぎより少なめの量を香りづけ程度に使うのがよいように思います。
・小松菜
・肉汁(つけつゆ)
・ねぎ(薬味)
二種類の粉で打ち、それぞれの小麦の味わい比べもお楽しみいただいた今回のうどんは、村山かてうどんのスタンダードともいえる、シンプルなつゆとかてでお召し上がりいただきました。
シンプルとはいっても小松菜もつゆも丁寧に下処理をし、よりおいしくなるようスタッフが心を込めて準備させていただきました。
湯がいていただく青菜は、作業工程はシンプルだけれどおいしいタイミングを逃さず仕上げるのにはちょっとした気遣いが必要。これも村山かてうどんの工程のひとつということで、料理初心者の方向けに基本の“青菜のゆで方”を紹介いたします。
≪青菜のゆで方≫
1.ボウルに水を張り、青菜の根元を浸けたまま10分ほど置いて泥汚れをゆるめる。
2.水から引き上げて洗う。根元は軽く開くようにしながらよく洗って泥を落とす。
3.株をバラさないようにひげ根の際の硬い部分だけを取り、株の太いものは根元に5mm〜1cmほどの切り込みを十字に入れる。
4.鍋にたっぷりの湯を沸かし(塩は不要)、よく沸騰したら立ててもった青菜の根元をまず湯に入れ、10秒ほど数えて葉まで入れる。
※沸騰の見極めは、鍋の中央まで大きな泡が立ち、鍋の底が見えないくらい。
※一度にたくさんの量を入れすぎると湯温が大きく下がりすぎて、再び沸いた頃には青菜がだれてしまうので、たくさんゆでる場合はひとつかみ程度(1/2束くらい)ずつに分けてゆでる。
5.再び煮立ったら菜箸で上下(天地)を返してひと呼吸おき、すぐに冷水にとる。何度か水を替え、余熱が入らないようにしっかり冷やす。
6.水の中で根元をそろえて持ち、揺らすようにしながら葉をそろえつつゆでた青菜をひとまとめにする。(水の中で作業をしないと葉がちぎれる。)
7.3〜4株くらいずつ根元を持って水分を絞る。
8.ひと束あたり小さじ1/2ほどのしょうゆを根元から葉先に向かって薄くたらし、もう一度しぼる。これを“しょうゆ洗い”という。しょうゆ洗いをすると余分な水分が抜けるとともに下味がついてよりおいしく仕上がる。
9.絞った青菜を4cm長さに切って盛り付ける。
・鶏の木の芽焼き
・小松菜ときのこのおひたし
・白菜の塩麹漬け
・油揚げとねぎ入りつゆ(つけつゆ)
・ねぎ(薬味)
初夏を迎え新緑が美しい季節。
今回の季節のかては、いまこの季節だけのお楽しみ、摘みたての木の芽(山椒の若い芽)を使った「木の芽焼き」をお出ししました。
おひたしは、うどんのかてとしてはつけつゆでいただけば味つけをしなくてもよいのですが、きのこを合わせているので食べやすいように単品のおかずに仕上げています。
白菜はいま話題の塩麹漬けにしました。塩麹だと短い時間でもおいしく漬かります。やわらかな味わいが好評でした。
≪鶏の木の芽焼き(2人分)≫
鶏もも肉…1枚
サラダ油…大さじ1
酒…大さじ1/2
*下味
酒…大さじ1
みりん…小さじ1
しょうゆ…小さじ1
おろししょうが…1/2かけ分
木の芽…4〜5枚(刻む)
*たれ
みりん…大さじ1
しょうゆ…大さじ1
砂糖…大さじ1/2
*作り方
1.鶏もも肉は余分な脂を取り、皮に穴をあけて半分に切ったら下味の材料に30分以上漬け込む。
2.フライパンにサラダ油を引き、鶏肉の皮目をこんがり焼く。裏返したら酒を加えて弱火にし、蓋をして中まで火を通す。
3.いったん鶏肉を取り出し、そのままのフライパンにたれの材料を入れて軽く煮詰める。大きな泡が立つようになったら鶏肉を戻し、両面にたれをからめる。食べやすいように切って盛り付ける。
≪青菜ときのこのおひたし(4人分)≫
青菜(小松菜やほうれん草など)…1束
きのこ(しめじやえのきなど)…1株
濃いくちしょうゆ…小さじ1
*ひたし地
出汁…200ml
うすくちしょうゆ…大さじ1・1/2
みりん…大さじ1
塩…小さじ1/2
*作り方
1.青菜は10分ほど水に挿してからよく洗い、根元に十字の切り込みを入れる。沸騰した湯で30秒〜1分ほど茹でて冷水に取り、水気を絞る。濃いくちしょうゆを根元からうすくかけてもう一度絞り(しょうゆ洗い)、4cm長さに切る。
2.きのこは石づきを取ってばらし、さっと湯がく。
3.ひたし地に青菜ときのこを漬け込み、冷蔵庫で冷やす。
≪白菜の塩麹漬け≫
1.白菜は縦に1/4〜1/8くらいに切り、1枚ずつ葉と葉の間にごく薄く塩を塗る。
2.1枚ずつ葉と葉の間に同じように塩麹を塗る。1枚につき小さじ1/2くらい。
3.ビニール袋に入れ、外側から軽くもんでひと晩おく。2日目から食べられる。
・うるいのおひたし
・天ぷら
うどの芽、しいたけ、新ごぼうのかき揚げ、
そら豆と三つ葉と海老のかき揚げ
・豚肉の肉汁(つけつゆ)
・ねぎ、みょうが(薬味)
・小玉西瓜(デザート)
4月は芽ぶきの季節。新しい息吹の力を体に取り込めるかてを用意しました。
春の山菜といえば定番のタラの芽が今年はあまり出回っていないようで、今年は代わりに「うどの芽」を天ぷらにしました。この珍しい素材に、ご参加のみなさまから「これは何ですか?」「どこで手に入りますか?」などのご質問をたくさんいただきました。うどの香りが豊かな天ぷら、春の味わいでした。
もうひとつ、こちらもみなさまに好評だったのが「うるい」。やはり山菜のひとつです。
さっと湯がくと透きとおるように青みが増し、適度な歯ごたえがありつつ、すこしぬめりのあるおひたしに仕上がります。「こういうクセがある感じが山菜っぽくていいねぇ」とは村山うどんの会のベテラン講師談。本当にそうですね。
≪今回のかて作りのポイント≫
・うどの芽は根もとの硬い部分だけをくるりと削ぐように取り除き、芽の部分はきれいに残します。粉を薄くまぶしてから衣をつけると、衣がはがれずにきれいに揚がります。
・かき揚げは、材料を切ってから全体に粉を回し、材料同士が軽くつながる程度まで少しずつ水を差していくとサクッと軽い仕上がりになります。
・うるいは根元の硬い部分だけ切り落とします。葉の部分を持ち、よく沸騰した湯にまずは茎の部分だけを浸けて10秒ほど数えたら全体を浸け、葉の色がさっと変わったらすぐに冷水にとります。水気を絞り、食べやすい長さに切って食卓へ。歯ごたえが残るくらいがおいしいようです。